「ChatGPTって便利らしいけど、設計の仕事にどう使えばいいかわからない」——そう感じているエンジニアは、まだまだ多いと思います。
実は問題はツールではなく、プロンプト(AIへの指示文)の質にあります。同じChatGPTでも、指示の出し方次第で返ってくる答えが天と地ほど違う。
この記事では、私が実務で試行錯誤しながら磨いてきたプロンプトを、設計業務の用途別に50個まとめました。コピペしてそのまま使えます。
📋 この記事でわかること
- 仕様書・報告書作成を10分で終わらせるプロンプト
- VBAマクロをコード不要で自動生成するプロンプト
- 図面チェック・強度計算補助に使えるプロンプト
- メール・議事録・社内向け説明文の時短プロンプト
なぜ「プロンプトの質」が全てを決めるのか
ChatGPTに「仕様書を書いて」と投げても、当然ながら雑な出力が返ってきます。でも「製品名・材質・寸法・使用環境を渡すので、JIS準拠の仕様書フォーマットで出力して」と伝えれば、下書きとして十分使えるレベルのものが出てくる。
コツは3つだけです。
- 役割を与える(「あなたは10年以上の経験を持つ機械設計エンジニアです」)
- 条件を具体的に渡す(材質・規格・制約など)
- 出力形式を指定する(「表形式で」「箇条書きで」「〇〇字以内で」)
これだけで出力品質が劇的に上がります。では本題のプロンプト集に入りましょう。
① 仕様書・技術文書作成(10選)
PROMPT #01
あなたは機械設計の専門家です。以下の条件で製品仕様書の草案を作成してください。
・製品名:[製品名]
・主要材質:[材質]
・主な機能:[機能の説明]
・使用環境:[温度・湿度・設置条件など]
・適用規格:[JIS/ISO番号など]
出力は表形式(項目名・仕様値・備考の3列)でお願いします。
使いどころ:新規製品の仕様書初稿。情報を渡せば10分で骨格ができます。
PROMPT #02
以下の設計変更内容を元に、社内向け「設計変更通知書(ECN)」を作成してください。
・変更前:[旧仕様]
・変更後:[新仕様]
・変更理由:[理由]
・影響範囲:[関連図面番号・部品番号など]
・承認者:[部署・役職]
使いどころ:ECN作成を半自動化。変更理由の説明文に詰まったときに特に有効。
PROMPT #03〜10
#03 設計報告書(テスト結果・評価まとめ)の下書き作成
#04 取扱説明書(ユーザーマニュアル)の章構成案
#05 社内標準化のための設計ルール文書化
#06 部品調達仕様書(RFQ向け)の草案
#07 工程FMEA(故障モード影響解析)の雛形作成
#08 設計審査(DR)チェックリストの自動生成
#09 英語技術メールの和文→英訳(JIS用語対応)
#10 特許出願のための新規性・効果の整理補助
各プロンプトの詳細は「プロンプト名+設計 ChatGPT」でそのまま聞いてみてください。文脈を覚えてくれます。
② VBAマクロ・コード自動生成(10選)
💡 コツ:エラーが出たらそのままコピペしてChatGPTに「このエラーを修正して」と渡すだけ。プログラミング知識がなくても8割は解決できます。
PROMPT #11
SolidWorksのVBAマクロを書いてください。
機能:アクティブなアセンブリの全コンポーネント名・数量・材質を取得して、Excelの新規シートに出力する。
環境:SolidWorks 2022、Excel 2021
プログラミングは初心者なので、各行にコメントをつけてください。
使いどころ:BOM自動出力の基本形。これを土台に機能追加していく。
PROMPT #12〜20
#12 開いている図面を一括PDF化するSolidWorksマクロ
#13 表題欄(部品番号・版数・日付)を一括更新するマクロ
#14 Excelのパラメータ表からSolidWorksの設計テーブルを自動生成
#15 図面ファイルの一覧(ファイル名・更新日・作成者)をExcelに出力
#16 部品表から購入品のみ抽出してExcelに色付きで出力
#17 AutoCADのDXFファイルを一括変換するスクリプト
#18 Excelの重複データを自動削除・整形するVBAマクロ
#19 Outlookのメール本文から数値データを抽出してExcelに集計
#20 工程表(ガントチャート)を自動生成するExcelマクロ
③ 図面チェック・品質管理補助(10選)
PROMPT #21
機械図面のチェックリストを作成してください。
対象:[製品名/部品名]、材質:[材質]
特に以下の観点を重視してください:
・寸法公差の抜け漏れ
・表面粗さ記号の適切な配置
・溶接記号の正確な表記(JIS Z 3021準拠)
・加工指示の曖昧さ
チェックリスト形式(チェック欄あり)でExcelに貼れる形式にしてください。
使いどころ:新人設計者の教育ツールとしても使える。
PROMPT #22〜30
#22 不具合報告書(4M変化点・水平展開あり)の作成補助
#23 FMEA(故障モード影響解析)の記入補助
#24 検査成績書の項目設計(JIS B 0001準拠)
#25 設計変更による影響部品のリストアップ補助
#26 流用設計時の相違点・注意点を整理するプロンプト
#27 製品の安全性評価(リスクアセスメント)のひな形作成
#28 ISO 9001対応の手順書(作業標準書)テンプレート生成
#29 QC工程図の記入補助
#30 設計変更履歴の要約・議事録化
④ 強度計算・材料選定補助(10選)
PROMPT #31
以下の条件でシャフトの簡易強度チェックをしてください。
・材質:S45C(引張強さ:690MPa、降伏応力:490MPa)
・シャフト径:φ30mm
・作用トルク:150N·m
・作用曲げモーメント:80N·m
・安全率の目安:3以上
計算式と結果、合否判定を出力してください。AIの計算には誤りがある可能性があるため、計算過程も必ず示してください。
注意:AIの計算は必ず手計算か専用ソフトで検証してください。参考値として使うのが鉄則。
PROMPT #32〜40
#32 材料選定のトレードオフ比較(強度・重量・コスト・加工性)
#33 熱膨張による寸法変化の計算補助
#34 ボルト締結の軸力・締め付けトルク計算
#35 溶接部の強度評価(突合せ・すみ肉溶接)
#36 圧力容器の最小板厚計算(JIS B 8265準拠)
#37 はめあい公差の選定根拠の言語化補助
#38 バネ定数・たわみ計算(コイルバネ・板バネ)
#39 軸受寿命計算(基本定格寿命L10)
#40 歯車の歯面強度・曲げ強度の簡易チェック
⑤ 業務効率化・コミュニケーション(10選)
PROMPT #41〜50
#41 会議の議事録を箇条書きメモから5分で完成させる
#42 社内プレゼン資料のスライド構成案を自動生成
#43 納期交渉・クレーム対応メールの草案作成
#44 技術的な内容を「営業・経営層向け」に平易な言葉で翻訳
#45 外注先への見積依頼(RFQ)メールの英文作成
#46 設計書の「です・ます調」を「である調」に一括変換
#47 週次進捗報告書のテンプレート自動生成
#48 トラブル対応の時系列まとめ(5W1H形式)
#49 特許調査の方向性整理(クレーム・公報の読み解き補助)
#50 後輩・新人向け技術説明の「わかりやすい例え」を考える
📖 実話コラム
「議事録が30分→3分になった日」
以前、設計レビューの後に2〜3時間かけて議事録を書いていた時期がありました。決定事項・宿題・ペンディング…分類するだけで疲弊する。
あるとき試しに、自分のメモをそのままChatGPTに貼って「議事録形式にして」と投げてみたら、3分で8割完成しました。「これ、もっと早く試すべきだったな」と思うと同時に、「残りの2割の精度が問題だな」とも気づいた。
今では「#48 トラブル対応の時系列まとめ」のプロンプトを使って、インシデント発生から報告書提出まで1時間で終わらせることができています。AIが得意な「整理・構造化」の仕事は、どんどん任せてしまうのが正解です。
プロンプトの精度をさらに上げるには
50個のプロンプトを使いこなせるようになったら、次のステップは「なぜそのプロンプトが効くのか」を理解することです。
テクニックを暗記するだけでは、少し条件が変わったときに対応できません。LLM(大規模言語モデル)の仕組みを理解して、「このAIはどう考えるか」を意識してプロンプトを組み立てると、応用の幅が一気に広がります。
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